液晶パネルは裏側からバックライトを照射して映像を表示しており、このバックライトの使用が6万時間を超える頃には明るさが半減し、画面が暗くなるため寿命を迎えると言われています。
では、6万時間がバックライトの寿命だと、製造メーカーによって謳われているのでしょうか?
2023年時点で販売されているテレビのメーカーサイトや取扱説明書を確認してみましたが、そのような説明がされている製品を見つけることはできませんでした。
だとすると、6万時間とされる根拠は何でしょうか?
過去のデータに遡って調べてみると、2004年〜2011年頃のシャープ製品の取扱説明書(外部リンク)やパナソニックの製品説明サイト(外部リンク)に以下のような記述が見つかりました。
バックライトは約6万時間※5の業界最高レベルの長寿命を実現しています。
※5 スタンダードモード時での光源寿命の目安です。
Panasonic TH-20LW30の商品特徴
寿命の目安・・・約60,000時間(室温25℃で、明るさを[標準]に設定して連続使用した場合、明るさが半減する時期の目安)
2014年発売のSHARP LC-45GD1の取扱説明書 P11
これらの説明も2011年頃を最後に登場することはなくなっています。
いったい何があったのでしょうか?
その理由は、以下の記述によって明らかとなりました。
蛍光管について
本機に使用している蛍光管には、寿命があります。
・画面が暗くなったり、チラついたり、点灯しないときは、新しい専用蛍光管ユニットに取り替えて下さい。
2014年発売のSHARP LC-45GD1の取扱説明書 P11
「蛍光管」と記載されています。
2004年当時、液晶テレビのバックライトには主にCCFL(冷陰極管:Cold Cathode Fluorescent Lamp)という蛍光管が使用されていましたが、徐々にLEDへと切り替わり、2010年頃からはLED(Light Emitting Diode)が主流になりました。
つまり、6万時間の記載はCCFLに対するものであり、LEDに対するものではないということです。
少なくとも、CCFLの寿命を元にして、バックライトがLEDの液晶テレビの寿命を推測することは、適切な推測方法ではないと言えそうです。
一般的に6万時間が液晶テレビのバックライト寿命だと言われているのは、CCFLが使用されていた頃の情報が、LEDに切り替わった後も液晶テレビのバックライト寿命として使われ続けている可能性が高い。
では、LEDの寿命は何年でしょう。
以下の記事では、LEDのバックライト寿命について記載しています。ご興味をお持ちの方は併せてお読み下さい。