パソコンは電気用品じゃない?

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電気用品安全法とは、電気用品の製造・輸入・販売等の規制、及び安全性の確保のために定められた法律だ。

対象となる電気用品の製造・輸入を行う事業者は、事業電気用品安全法に定められた手続き等の義務を履行し、電気用品にPSEマークを表示しなければならない。

電気用品の設計寿命が、電気用品安全法との関係で4万時間以上にすることは難しいという推測されることは、以下の調査ログに記載した。

では、テレビは電気用品安全法の対象なのだろうか。

対象となる電気用品は、経済産業省のサイトで確認することが可能だ。

「構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品」である「特定電気用品」と「特定以外の電気用品」に分類されている。

対象となる電気用品の一覧は、以下のサイトで確認可能だ。

テレビが分類されるのは、「特定以外の電気用品」だ。電子応用機械器具の中に「テレビジョン受信機」として記載されている。

受信機という文字をみて、PCモニターも含まれるのだろうかという疑問が浮かぶ。放送を受信しないから、受信機ではないのではないかと。

別品目として挙げられているだろうと探してみるが、オーバーヘッド映写機、反射映写機といった品目は並んでいるものの、PCモニターに当てはまりそうなものはない。

調べてみると、意外なことが分かった。

いくつものサイトでパソコンやPCモニターといった情報機器は、電気用品安全法の対象外だと紹介されているのだ。

電気用品安全法が安全性の確保を目的としているのであれば、テレビであろうが、PCモニターであろうが、類似する製品の危険性に変わりはないはずだ。PCモニターにも適用されるべきではないか。

情報機器が対象外であるという情報は、本当なのだろうか?

デジタル産業における日本の業界団体であるJEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)では、「IT関連機器の電気用品安全法に対するJEITA自主運用基準」において、「テレビジョン受信機やその他の音響機器としての機能」が含まれているパソコンが、電気用品安全法の対象となる基準を記している。

テレビチューナーやスピーカーが内蔵されているパソコンについては、電気用品安全法の対象、対象外の場合があると読み取れる。

この理解が正しいなら、テレビチューナーやスピーカーが内蔵されていなければ、そもそも電気用品安全法の対象外だということだ。

1.パソコンの機能の一部としてテレビジョン受信機やその他の音響機器としての機能が含まれる場合、当該パソコンは対象外

 例:電源投入、OS の起動、アプリケーショソフトの起動等の一連の動作を伴うもの。

2.パソコンの機能と、テレビジョン受信機や、その他の音響機器としての機能が独立している場合、当該パソコンはテレビジョン受信機または、その他の音響機器として対象

 例:パソコンの電源を投入し機能を選択することにより、パソコン又は TV/AV 機器として各々専用の回路を動作させるもの。(各々の専用回路を直接動作させるものを含む)

3.パソコンに接続されている機器が、単独でテレビジョン受信機やその他の音響機器としての機能を発揮する場合、当該機器は、テレビジョン受信機又はその他の音響機器として対象

 例:パソコン本体の電源を投入することなく、パソコンに接続されている表示装置や外部記憶装置がTV/AV 機器として単独で動作できるもの

JEITA IT関連機器の電気用品安全法に対するJEITA自主運用基準
https://home.jeita.or.jp/ite/itestc/data/JEITAapplyCD-ROM.pdf

だが、調べてみると、情報技術機器が対象外だという説明では充分でないと分かった。

Lenovoの公式サイトに、以下のような記されている。

ノートブックパソコン用のACアダプター及び、デスクトップパソコンやディスプレイ装置等の電源ケーブルが規制対象(パソコンやその周辺機器自体につきましては原則として電気用品安全法の規制の対象とはされておりません。

「PSEマーク」 規制とレノボ製品への影響について
https://support.lenovo.com/jp/ja/solutions/ht058801

パソコンやその周辺機器自体は原則として対象外だが、ACアダプターや電源ケーブルは対象なのだ

PCモニターを使用する上で、ACアダプターや電源ケーブルは不可欠なものだ。

だとすると、テレビチューナーやスピーカーが内蔵されていなくても、「設計寿命が、電気用品安全法との関係で4万時間以上にすることは難しい」ことは変わらないということだ。

推測

ACアダプターや電源ケーブルまで含めると、情報機器も電気用品安全法の対象となりえるので、設計寿命を4万時間以上にすることは難しい。

(参考)その後の調査

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